ゴルバチョフ元ソ連大統領&ワイツゼッカー元ドイツ大統領
 20世紀という100年間は、人類史上もっとも「変化」した時代だったと思います。そのうちの四半世紀しか生きていない私でも、そう感じます。自分が存在した25年間でさえ、様々な出来事が起こりましたから。そのなかで象徴する出来事が、冷戦終結・ソ連崩壊ではないかと思います
 。20世紀は世界が2つに分かれて争った時代であり、それが形となって現れたのが第1次・第2次大戦であると思います。しかし、その2つの大戦の終結は、争いを終結させるのではなく、2大勢力による「冷戦」という形に変えただけであった。もはや戦争でさえも解決できない状況に陥ったなか、現れたのがミハエル・セルゲイビッチ・ゴルバチョフです。ペレストロイカを推し進め、ソ連・東欧の民主化に貢献。それが冷戦の象徴であるベルリンの壁の崩壊へとつながり、ノーベル平和賞を受賞するに至りました。ベルリンの壁崩壊の要因として、東西の緊張緩和はさることながら、ベルリンの壁崩壊でドイツがまた一つになるということから、周辺各国との歴史的和解というのも重要なものでした。それに貢献したのが、ベルリン市長からドイツ連邦大統領となったリヒャルト・フォン・ワイツゼッカーでした。
 20世紀最後に入手したものは、2人の2ショット&サインという20世紀を象徴するものとなりました。こうやって、この写真からいろいろと考えると、この2人のような政治家がこの時代に日本にいたら、この国は変わっていただろうなぁと思います。20世紀から21世紀へと時代が変わろうとするなか、世界もそれぞれ変わろうと動き出しています。しかし、日本はその波に乗り遅れかねないところに位置しています。50年の冷戦を精算したゴルバチョフの勇気と50年前のナチスが行った歴史的犯罪を精算したワイツゼッカーの過去の歴史を直視する反省の念をもって、日本も新たな時代を踏み出してほしいと思います。日本が20世紀の「遺物」とならないためにも。