特別展

時間 〜忙中”趣味”あり〜

出演記

去る2004年11月7日放送のNHKBS2『熱中時間〜忙中”趣味”あり〜』#22「ミニに恋して」で、極小千羽鶴作りに熱中する”熱中人”として研究(?)されました。それまでの経緯や出演時の様子などレポートします。

File.01: 出演依頼〜出発まで
9月17日
 NHKBS「熱中時間 〜忙中”趣味”あり〜」という番組のリサーチの方からメールがあり、「本業以外で”ある趣味”に熱中している人を紹介していて、今後のテーマに「ミクロの大宇宙(仮題)」を予定している」ということで連絡をいただきました。どうやら私が、本業にならないような小さな事をちょこちょことやってるから白羽の矢が立った、ということでしょう。早速詳しいことを聞くために連絡をしてみると、収録は隔週の日曜と言うことで、スケジュールの問題はクリアでき、こちらは出演OKとなりました。ほどなく、制作側からもOKが出て、ここから「寝中時間」出演に向けた慌ただしい日々が始まりました。
9月26日
 出演に向けて動き出すと、そこからは急展開で、すぐさま担当ディレクターさんが打ち合わせに来ました。この週末は地元のお祭だったため、午前中2時間だけしか時間が空かなかったけど、わざわざ東京から来ていただいていろいろと話をしました。当時BSを付けていなかったので番組を見たことが無く、どんな番組かを聞くと、NHKというちょっとカタいイメージではなくバラエティのノリで大丈夫らしく、いつも通り”変わり者”として出れば良さそうなんで一安心しました。初のテレビ局でのスタジオ収録だし、タレントさんとのカラミもありそうなんでこれまた楽しみです。ちなみに、今回の”熱中人”は「蟻アート」「苔マニア」、そして「極小鶴」だそうです。うーん、マニアックですねぇ。
 収録に関しては普段通りで良さそうなので気が楽ですが、その収録に際して様々な作品が必要になるため、今日からその準備(製作)に追われることになります。収録日が2週間後の10月10日ということで、ヤマハラグビー千羽鶴の為に毎日鶴を折っていた生活から解放されてから、わずか1ヶ月で逆戻りとなりそうです。
10月7日
 打ち合わせ後も、電話での打ち合わせを頻繁にして、向こうもいい番組を作るために試行錯誤し、こちらもそれに応えるためにいろいろな作品を作るという日々が続きました。そんな中で、最新作の「ヤマハラグビー千羽鶴」に興味を持たれたらしく、一度チーム寄贈した作品を借り受けるためヤマハ大久保グラウンドまで出掛けました。毎日鶴を折るばっかりだったので、いい気分転換になると共に、週末試合を控える選手達の熱のこもった練習を見て、同じく(?)週末に大事な収録を控える者としても「期待に応えられるようにがんばるぞ」という気持ちを新たにしました。(練習見学中にも、携帯で1時間ほど打ち合わせしましたし)
 まだ準備できてない作品もあるけど、前泊する事だし当日には間に合うだろう、それより接近している台風22号の方が心配です。行けるかなぁ・・・瑞穂ラグビー場(そっちかい)。
File.02: 台風に追いかけられて東京へ
10月9日
 いよいよ東京に行く日になりました。予定では欲張って、14時KOのトヨタ×ヤマハのラグビーを名古屋で応援して、試合終了後に直接東京に行くつもりでしたが、やっぱり台風の影響でまずラグビーは延期に。せっかく名古屋からの新幹線を取ってもらったのに、こればっかりはしょうがないですね。
 それどころか、台風の予想進路が東海地方に上陸〜首都圏直撃ですから、東京に行けるかどうかもわからない状況に。現に新幹線は始発から運転見合わせで動いていない。東海道線もすでに途中途中で不通になっているみたいで、とっても不安になりました。当日始発でも収録には間に合うから、最悪それでなんとか・・・なんて考えも浮かびましたが、幸い新幹線が動き出したとのこと。この機を逃しては、と慌てて浜松駅へ行くと、ちょうど品川に止まるひかりが来てそのまま飛び乗りました。混んでたし、自由席だったけど座れたのも幸いでした。静岡あたりで一時雨が激しくなり、70km/hでの徐行運転をしたけど、あとは”嵐の前の静けさ”という感じで薄日も射したりして、無事昼前に品川に到着しました。
 そこからタクシーでNHKそばのホテルに行って、予定よりもすごく早くチェックインさせてもらいました。このあと13時過ぎに新幹線が止まったらしいので、ホント間一髪でしたよ。担当ディレクターさんに連絡すると、新幹線が止まったことに心配をしてたけど、もうホテルに入ってると伝えると驚いていました(もう1人の出演者さんが北海道からの方で、そっちが大変でこちらのことはアタマになかったらしい)。17時頃に打ち合わせをするということで、それまでは台風情報を聞きつつ、まだ準備できていない作品の製作をすることにしました。

・ホテルから覗いたNHK
こんなに近いのに台風でズブ濡れに・・・
 18時頃、台風が近づき雨が強く降り始めた中を担当ディレクターさんがホテルに向かえに来てくれて、打ち合わせのためにNHKに行きました。
 入り口には真ん中に警備員さんがデーンといて、さすがに物々しいなぁと思いながら、「出演者さんです」と紹介されて通過。ちょっと偉くなった気分ですねぇ。局内をてくてく歩いて(さすがに広いです。担当Dさんも迷いそうになるらしい)、いろんな番組のポスターを眺めながら休憩所のようなところの横にある個室へ。そこで台本を見ながら流れを確認。ホント真面目に(1時間くらい)打ち合わせしちゃいました。そのあとは、社員食堂で晩ご飯をごちそうになりましたが(カレーを食べました)、その頃には台風の雨風で外がエライことになってました。正直、ホテルに帰らないで局に止まっていきたいって思いましたが、まだ準備しなくてはいけないモノもあることだし、と別ルートでキョロキョロしながら帰りました。
 玄関を出ようとすると、外は横殴りの雨。ホテルまでは道路を挟んで50mほどだけど、どうやっても濡れるだろうなぁと思い、腹をくくってダッシュ。アタマは折りたたみ傘でカバーしたけど足下は水たまりになっていたこともあり、見事にズブ濡れ。しかも、やっとの思いでたどり着いたホテルの入り口(1階部分)も水浸しになっていて入れなかったりで・・・(併設の中華料理店(2階)から入るようになってました)。作品が間に合うかなぁという心配に加え、濡れたのが乾くかなぁと言う心配も生まれてしまいましたよ。
 ホテルに戻り、作業をしながらも、明日は収録なので早寝早起きで間に合わそうと思ったのに、気が付いたら作業が楽しくなっちゃって・・・深夜のアジアユース観戦も手伝って、2時までやっちゃいました。ホント”ミニ”に熱中しちゃってますねぇ〜。
 (そういえば、台風は8時過ぎにピークが来たみたいで、そのあたりから断続的にサイレンが鳴り響いてました。ニュースを見たら、そこら中で冠水してました。大変ですねぇ・・・って、自分もびしょ濡れになったんだっけ。)

・台本に書き込まれた打ち合わせの跡
薄くて見にくいけど、
「ここから折り始める」とか書いてます。
File.03: 研究材料”極小千羽鶴職人”に変身
10月10日
 収録当日。無事?に台風も去って、いよいよって感じになってきました。予定通り8時頃NHKに入り、今回話を持ちかけてくれたリサーチさんと対面。まずは、控え室へと案内されました。
 控え室はちゃんとした個室で、1人には広いくらい(落ち着かないくらい)、飲み物とお菓子も用意してあって、何より控え室のドアの「熱中人 控え室 江間充祐様」の張り紙を見て、”遊びに来たんじゃないんだぞ”、”極小千羽鶴職人として呼ばれてるんだぞ”って、気合いが入りましたよ。9時半からリハーサルと言われ、さぁ頑張るぞと行きたいところだったけど、まだ準備ができてなかったんですよねぇ。慌てて作業しているうちに、あっという間にリハーサルの時間となりました。
 リハーサルは”副所長”の中川アナウンサーと流れを確認するといった感じで、他の出演者は担当Dさん他スタッフさんが代役で進められました。バタバタしたおかげで昨日の打ち合わせがすっ飛んで8割方アドリブになっちゃいましたが、それがどうやらいい方に働いたようで、本番でもその調子でお願いしますってことになりました。
 リハーサルを終えて控え室に戻ろうとすると、ロビー(?)では関係者さん達がモニターでリハーサルの様子を見ていたらしく、出演者の桂よね吉さんのマネージャーさんから声を掛けられました。どうやら極小折り鶴を気に入ってもらえたようで、そう言われるとすぐ調子に乗っちゃう単純なヤツなので、早速その場で折り鶴教室(個別指導)を始めちゃいました。途中、リハーサルを終えて通りかかった中川アナも参加して、本番収録前なのに張り切ってしまいました。昨日も寝てないというのにこんなに元気なのは、特殊な状況でテンションが上がりっぱなしになってるってことでしょうか?本番でガクッと下がらないことを祈るばかりです。

・「熱中人 控え室 江間充祐様」
”出演者”って感じですねぇ

・控え室
タレントさんと同タイプです。
でも。1人じゃやっぱり広いでしょ。

・メインセット(リハーサル中)
20XX年から来た未来人の研究所は
こんなかんじなのね。

・千羽鶴を見せる(リハーサル)
タレントさんの代役はスタッフさんで
左の担当Dさんが薬丸さん役です。
 本番を前にして、ちょっと緊張してきたかなぁと言うところで、収録見学に誘った「手先〜」での共演者である上山さん親子が到着。やっとよく知った人に会えたおかげで、広くてさみしかった控え室も居心地がよくなりましたよ。そんな感じで、さっきまでの緊張気味なのが消えて(というか、緊張感がなくなって)いい感じで本番をむかえました。
 それでもやはり、スタジオの緊張感は伝わってくるし、タレントさんとの掛け合いがどういうふうになるだろう・・・って考えてるウチにちょっと不安になってきました。特に登場するドアの中でスタンバイしているときが、キツかったですね。早く始めて欲しいって思いました。すると、スーッと静かになって、そして中川アナの「最初の熱中カプセル、オープン」の声が聞こえました。いよいよ、本番です。ドアを開けて(熱中カプセルは手動なので・・・)会釈して、席に着く。そして自己紹介。ここまでは、みっちりやった打ち合わせやリハーサル通り。しかし、ここからはどうなるかわからない(どういった質問が来るかわからないし、台本も飛んじゃってるし)。結局いつもの”周りはテレビのプロだから、いいとこ拾ってちゃんと番組にしてくれるはず”の「なるようになれ作戦」で、楽しく収録する事ができました。台本はもちろん、リハーサルとも違う、でもより盛り上がったモノになったと素人目にも思いましたよ。紙芝居の「人生不器用伝説」(この紙芝居、一般的には”熱中してて良かったこと”を取り上げるんだけど、私の場合は別に良いことはなく、かえって損してることが多いかも?ってことで決まったネタです)も評判良かった(?)し、最後のミニ色紙も予想以上にウケたし。事前に番組を見た感じでは15分くらいのものだと思っていたのが、自分でも「長いなぁ」と思うほどたっぷり収録しちゃいましたからね。そんな雰囲気は、放送を見ていただいた方にはわかってもらえたんじゃないかなって思います。
 (収録後、担当Dさんに「面白かったんで、テープ1時間回しちゃいました」と言われました。スタジオトークで1時間回すことはほとんどないらしい・・・)

・本番直前
最後の準備をしている(写真中央奥)ときに、
上山さん親子は・・・なにしてるの?

・只今収録中
鶴を折ってる所かな?
(後ろからカメラが手元を狙ってるから)

・ミニ色紙にサインをもらってる所?
当日の持ち込みでアドリブ的にやったら
一番ウケがよかったです。作戦大成功。

・カメラの後ろはこんな感じ
たくさんのスタッフさんが働いてます。
スタジオはこんなに広かったんですよ。
 自分の出番が終わり、2人目の熱中人・山野さんの収録を見学。すごく気楽に楽しく見られました。山野さんは、「ミニ陶芸」をされる方で、数ミリの茶碗やお皿もちゃんと陶土からろくろを使って作り、焼きや色つけも本物と同じ工程でするというこだわりの”熱中人”さん。担当Dさんから話を聞いたときから、すごく興味があったので、実演のシーンでは危うくそばまで行きそうになりましたよ。ウロウロしながら収録見学していると、スタッフさんの準備作業の邪魔になりそうになったので、ついつい手伝っちゃったりもしました。出るよりも裏方さんの方が向いてたりして・・・。
 前日は台風の影響で飛行機が飛ばず、当日北海道から来られて即リハーサル・本番という悪条件に、さらにテレビ初出演ということでしたが、とても落ち着いてらっしゃいました。(そういえば、最初に話をもらったときには、”蟻アート””苔マニア””極小千羽鶴”だったけど、”ミニ陶芸”の山野さんが出演ということになってるので、私よりも短い時間で収録当日を迎えたことになります。実際、山野さんHPのレポートでも、大変だった様子をうかがい知ることができます。)
 その後は、3人目の方の紹介(写真で)、オープニング、エンディング等の収録が行われ、無事スタジオ収録が終わりました。

・出番を待つ山野さんの作品達
収録中、スタジオ脇でこっそり撮影
お盆が大きいわけじゃないですよ。
 ここで遅い昼食となり、用意してもらったお弁当を食べました。とてもおいしかったですが、収録でお腹いっぱいになっちゃって半分くらい残してしまいました(昨日の夜から何も食べてなかったにもかかわらず)。そういえば、見学の上山さん親子にはお弁当が用意されていなかったので、社員食堂で食べてもらったんだけど(収録中に)、お昼を食べてると、ちょんまげ姿の人がぞろぞろ入ってきて娘さんも喜んでたそうな。ちょんまげ姿・・・ということは、大河ドラマかな?と思ったら、この日は「新選組!」のクランクアップの日だったらしい。毎週欠かさず見ていた身としては、見たかったですよ〜残念。
 でも、リサーチさんや担当Dさんに無理言って仲介してらい、薬丸さんや小倉優子さんにサインをいただくことができました。スタジオ収録が終わったときよりも”ホッ”っとしましたよ。(どっちが重要な目的だったんだか・・・)

・お昼のお弁当
なんで食べ物を撮ろうって思うのは
少し食べちゃってからなんでしょ?

・戦利品@
今回の台本(サイン入り)
「江間家の人々」紹介フリップ

・戦利品A
自作の極小色紙(10×10mm)にもらった、
薬丸さん(中)小倉さん(右)のサイン。
2人ともとてもお上手です。
File.04: ”ミニ”の収録はここからが大変なのよ
 さて、スタジオ収録も終わり、サインも無事もらったので、「お疲れさま」って思われるかもしれないけど、これまでの経験からもここからが一番大変なんですよ。スタジオ収録は、タレントさんのスケジュール等があるから比較的時間通りに終わるんだけど、ここから始まる”物撮り(作品等のアップ撮影)”は、カメラマンさん泣かせの過酷なモノなのです(同じくこっちも過酷なのですが)。
 早速、千羽鶴のアップ撮りから開始。スタジオ収録では手のひらに乗せたりしないで持っていたので、ここでもつり下げた状態での撮影になりました。これを揺れないようにするのはほとんど不可能ですが、なんとか揺れ幅を少なくするために頑張って息を止めましたよ。でも、ズームアップしたり、上に下に動きながら撮ったりとなかなか長くて、息を止めているのも大変でした。続いては極小鶴を折っているところや完成品を見せるところの撮影。指先のアップが多く、ピントを合わせるのがより大変になるので、さっき以上に動かないように頑張りました。折るシーンはどうしても動いてしまうので、折るスピードを遅くし、急な動きを抑えて、見やすいように気を付けながら折りました。スタジオで折っている雰囲気を出すため、テーブルも白系にして行ったんですが、それと指先の影をなくすための強い照明が加わって、ものすごくまぶしかったです。その状況で、普段よりも時間かけて折るわけですから、完成の頃には涙で目が開けられないくらいになりましたよ。もうダメ〜ってところで何とか撮影終了。すぐさま物撮り室から出て、普通の照明の部屋で休みました。
 このあと、ミニ色紙の撮影を前述同様に行ったところで、ここで帰りの新幹線の時間が迫っていたため、残りの物撮りはスタッフさんにお任せし(作品も預けて)、NHKを後にしました。やっぱりバタバタしちゃったけど、また一つ貴重な体験をすることができてよかったです。
 このような機会を与えてくださった、リサーチさん、担当Dさん始め番組スタッフさん、出演者さん、本当にありがとうございました。
 またこのような機会に巡り会えるよう、これからも”ミニ”に熱中していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それから、誰しも熱中しているモノを持っているはず。みなさんも”我こそは熱中人”と名乗りを上げてみてはいかがでしょう?(→熱中時間HP)ぜひ研究されちゃってください。
File.05: このあともっと大変でした
 収録途中で帰ることになったため、バタバタしながら荷物をまとめNHKを出ようとしたところ、肝心のチケットが行方不明に・・・。またまとめた荷物を広げながら探したら、バッグの中の隅っこに埋もれてました。見つかってよかったぁ〜って、しみじみしてる場合じゃなかった。慌ててタクシーに飛び乗り、品川駅に向かいました。運転手さんによると、道が混んでて間に合うか微妙とのこと。”運転手さん、頑張って”と祈っていると、運転手さんから「NHKにはどんなご用で?」と聞かれ、そこから今回の収録の話になりました。そうなると極小鶴の話題も出てくるわけで、運転手さんの食いつきが良かったもんだから、信号待ちの時に現物を見せてあげたりして、すっかり話が盛り上がっちゃいましたよ、急いでいることを忘れて・・・。品川駅に近づいたところで、そのことを思い出したけど後の祭り。目の前を新幹線が出発していきました。「鶴の話に盛り上がって、新幹線に乗り遅れた」という新たな”不器用伝説”が最後にまた生まれるとは思いませんでした。でもまぁ、運転手さんにも極小鶴をあげられたし、ゆっくりおみやげも買えたので良かったですよ。

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